森章二
書簡集
平成16年5月分です。
 ご意見・ご要望・お叱り・・なんでもけっこうです。お待ちしております。   メールはこちらからどうぞ
 書簡 その9  おいしい話・1  森流・ハヤシライスの作り方           (平成16年5月4日)
辛気臭い話が続いたので美味しい話をしましょう。
ラジオ放送「森に耳あり章二に目あり」や講演で大好評だった我が家のハヤシライスの
作り方です。早くてカンタン!
僕の親父は大正末期から昭和初めにかけて帝国ホテルでコックの見習いをしていました。
そのころの賄い食だそうで、これが原形です。まずは市販のハヤシライスのルーを指定の
量の水、またはお湯で火を通します。ルーはお好み次第ですが僕はトマトケチャップの
入っていないもの、デミグラスソース系をオススメ。具は肉と玉ねぎだけ。時にはタケノコの
薄切り、マッシュルーム等、キノコを加えるのもよいでしょう。
たまねぎ
一人前の目安として薄切り肉80〜100g、玉ねぎ大ならば半分。玉ねぎの切り方がミソで、芽の出る所から根っこに
向けて半分に切る。次に直角に1cmほどに輪切りにする。(芽から根の方向に切らないこと)
油またはバターを熱したフライパンで薄切り肉を軽く炒め皿に取り出す。その油で玉ねぎを軽く炒めます。
両方とも、生に近いくらいで結構です。玉ねぎに火が通ったら、先ほどの肉をフライパンに入れよく混ぜ合わせ
そこに食べる人数分の熱くしたルーを入れ、ジューっとかき回せば出来上がり。数分の料理です。
放送へのお便りで「本当においしかった」「うそかと思うくらい簡単でおいしかった」等、うれしいお便りがたくさん
きました。ぜひ試してみてください。ではまた。
 書簡 その10  タンポポの話 その2                  (平成16年5月17日)
タンポポの話がそのままになっていると思い立ち、散歩がてら、タンポポの変り物捜しと観察に出掛ける。
僕の家は聖蹟記念館のある桜ヶ丘公園のすぐ前。表に出るとそこ、ここに、白い綿毛の種に交じって
花がまだ残っている。花の裏の萼を見ながら歩くと、車の通る日当たりの良い道端に生えているのは、
ほとんどセイヨウタンポポ。公園の湿った日の当たる所はカントウタンポポ(少ない)。明るい林の端には
トウカイタンポポと思われる大形のもの。そしてそれぞれの交雑種かと思われるものが、
テリトリーを主張するかのように咲き乱れている。昨年見付けたトウカイタンポポ(セイヨウタンポポではないが
交雑種かも知れない)らしい、大形の白花の一株も健在。珍品でもタンポポを採る人はいないとひと安心。
もっとも関西から西の方は、みんな白花なので珍しくないか?とはいえ、東京都多摩辺りとなれば珍品には違いない。
昨年見付けて根伏せして保護したものが家で育っているので、来年花が咲けば写真でお見せ出来ると思います。
そして種を採ればいくらでも増やすことが出来るので、希望者に別けてあげる事も可能です。
(来年の事を言えば鬼が笑う)
今年の収穫はいまの所、残念ながらこれだけ。でも友達の所で、都内で採集した緑花の苗が増えているので
これが楽しみです。皆さんも変り物を捜してメールをください。ではまた。
 書簡 その11  水戸黄門撮影                      (平成16年5月17日)
撮影初日(4月19日)は、いきなりラスタチ(大詰めのチャンバラのこと、ラストの立回りの略)。
久々と、張り切って望むも本番で廊下の桟に足の指をぶつける。ものすごく痛かったが、40年以上も
チャンバラをやって来て、恥かしい。痛いなどとは断じて言えぬ。知らぬ顔で通過。
里見さんや、皆さんと雑談している時もかなり痛いが、本番になると不思議と忘れる。
印籠を出されて降参。夕食を挟んで7時間、無事終了。
ホテルに帰って足を見ると、薬指と小指が腫れ上がっている。朝になっても痛みが消えなかったら病院と、
決めて寝る。朝、痛みも消えて腫れも引いている。紫色になっているが、これなら大丈夫。回復が早い
まだまだ若いと元気が出る。今日の撮影は夜から。撮影は同じシーンでも、セットだったりロケだったり
場所が変わることもあるので一部だけ撮ったりもする。今日はそんな日。支度に1時間掛けて呼ばれていけば
10分で終わったりする。1日待って何にも無い事もあるので仕方がない。
でも今日は足のためにも、軽い仕事でよかった。
水戸黄門撮影快調。処は出石。夏の放映なので、話はお化けがらみ。
監督矢田清己。ゲストは長門裕之、田京恵、櫻井ゆか、冷楽公裕、入川保則、須藤雅宏、そして私、森章二。
代官の私が村娘に惚れて・・・。長門裕之さん大活躍。あんまり書いてしまうと興味がそがれるので、
八月始め(9日だと思う)の放映をお楽しみに・・・
撮影最終日、襲った村娘役の櫻井ゆかさんに花瓶でしたたか頭を殴られて、(新人なので手加減なし)
今回は痛いことばかり。ではまた。(撮影時の写真が、こちらにあります。)
 書簡 その12  おいしい話・2   行者ニンニク               (平成16年5月19日)
5月12日に、北海道から「春の便り」が届いた。
わざわざ山に入って摘んでくださった、行者ニンニクだ。薬効あらたかな山菜だが、東京では滅多に
お目にかかれない代物だ。食べても美味だが、焼酎に漬けるのが日持ちもするし、血液サラサラに良い
というので、早速焼酎に漬け込む。分量はすべてイイカゲン。ビンに入れた行者ニンニクがヒタヒタになるまで
焼酎を入れて、ほんの少し氷砂糖かハチミツを加えて出来上がり。
それにしても、熊の足跡の残っている山の中へ・・・お疲れさまです。感謝!松山さん。
 書簡 その13  おいしい話・3   名古屋の味噌煮込みうどん      (平成16年5月20日)
師匠の辰巳柳太郎の好物で、名古屋に行くと必ず食べる。
40年前に初めて連れて行かれた時には驚いた。土鍋の中に真っ黒な汁、極太のうどんに鶏肉、玉子、葱。
熱いので蓋にとって食べるのだという。そういえば蓋に穴がない。ひと口食べて腹が立った。うどんが生でガチガチ。
文句を言うと、これで良いと言う。こんな物食えるかとほっといたら、オヤジ(先生)が何で食べないと睨んでいる。
仕方なく食べたが馴染めない。二度と喰いたくないと思ったが、師匠のお供で二、三度行く内に、不思議なことに
又食べたくなる。今では家まで送ってもらう程の好物になった。人間とは変な生物だ。
 書簡 その14  片岡球子展                           (平成16年5月21日)   
日本橋の三越に片岡珠子さんの「白寿記念、片岡球子展」を観に行く。年配の女性でいっぱい。
布で貼り絵をした様な画風が好きだ。彫刻の様に一つ一つが浮き上がって見える。
観ているうちに漫画家の畑中純さんの版画を思った。引き合いに出したら叱られるだろうか。展覧会に行った時、
出版物等はなるべく買わない様にしているのだがついつい買ってしまう。それ程素晴らしい。