書簡集
 書簡 その193  特別展 江戸城                                (平成19年2月28日)
 
 両国の江戸東京博物館に特別展江戸城を観に行く。10時半頃に入場したのだが、大変な人出。江戸の話が
 好きな僕にとっては江戸時代に興味を持つ人が多いことは嬉しいかぎりだが、観客に若い人がほとんどいない。
 特に今日は平日。時間に余裕があるのは年配者だろうが、それにしても養老院の団体旅行。芋を洗うようだ。
 展示品を見るのも頭越し、人の後についてぞろぞろ進むだけ。マイッタ。それでも良いほうだったかもしれない。
 12時半頃に外に出たが、入口は長蛇の列。並んで待っている。
 次の予定地、上野の東京都美術館に向う。暖かい陽気に誘われたのか此処も大変な人出。そここで大道芸や
 ミニコンサートをやっている。動物園も修学旅行か?人が多い。東京都美術館に着いて驚いた。目的のオルセー
 美術館展だが、40分待ちのプラカードを持った人が立っていて、横には黒山の人。これではとても・・・と諦めて
 散策しながら帰ることにする。上野の山では、もう早咲きの桜が咲いている。ピンクの色に染まるのも間近だ。
 それにしても異常気象ですなぁ。不忍池には水鳥にまじってユリカモメがいっぱい。
 書簡 その192  鰆                                         (平成19年2月10日)

 サワラの美味しい季節がやってきた。関東では、いや我が家では塩焼き。関西では西京漬けといって味噌漬け
 にすることが多い。味噌に酒粕を混ぜたり、各家庭により工夫された味がある。もっとも関東でも醤油に出汁を
 加えたタレに漬けて各々の味に仕立てて照焼にしたりする。海に近く新鮮なものが手に入る地方では刺身に
 する。我が家では新鮮なものに塩をしてから、酢で洗ってコブ〆にした。これがうまい。子どものころからの好物
 であるこのサワラだが、魚へんに春と書いて「サワラ」。魚の名前は魚へんで書くものが多いが和名は全部
 カタカナで表す事になっているが、以前、漢字で書いていた頃は字を見ただけで、そのものの姿がわかる、面影
 が浮かぶという情緒のあるものが沢山あった。当て字も多いが。植物で云えば、釣船草や蛍袋など、いわれを
 知りたくなる。魚も魚へんで表す以前の漢字で書かれたものには、味のあるものがある。その一つがサワラだ。
 狭い腹と書いてサワラ。この魚の姿そのままだ。細身のスッキリした体形。そして小さめのものをサゴシと云うの
 だがこれも漢字にすると狭腰だ。鰆では知ることのできない味わうことのできない文化がついこの間まであった
 のに・・・。地名にしてもそうだ。便利で分かりやすくなったかもしれないが、文化が失われて行くのは味気ない
 ものだ。国際社会になって薄れていく日本人の心。、昭和30年代の、ほのぼのとした時代を懐かしむ映画や
 読み物がヒットしているが、懐古主義ではなく、本当に取り戻してこそ、心の栄養ではないだろうか。
 書簡 その191  おかしな監督の映画祭                            (平成19年2月6日)

 調布グリーンホールへ、おかしな監督映画祭を観に行った。10分程の作品を、ベテランからデビュー前の15人
 の監督が出品。観客が投票でグランプリを競うのだ。ドキュメントタッチのリアリティのある作品から、新しさに
 ついていけないというか、僕には理解できない様な作品まで様々。残念ながら僕の投票した作品は選ばれ
 なかったが、楽しかった。それにつけても最近は映画を観ると、亡くなった方々を思い出す。先日は「武士の
 一分」を観ていて何故か三隅研二監督のことを思い出して懐かしんだが、今日は勝新太郎さんのことを思った。
 もしこの会場に来ていたらきっと「お前達ね」と云って、壇上にあがり映画についての一席を語ったに違いない。
 そんなことを考えながら帰途についた。